潰瘍性大腸炎・クローン病とレミケード
皆さんは今、どのような治療を行っていますか?
私は十数年間、潰瘍性大腸炎を患い幾つもの治療を試みてきました。中には調子が悪くなるような治療や副作用が強すぎてムーンフェイスや不眠、耳鳴り、聴覚過敏、軽度のうつ状態、頭痛、嘔吐、めまい等々挙げればキリがありませんね。今後、そのような治療や副作用についても詳しく紹介できればと思います。今回は、私が現在行っている治療『レミケード』について紹介していきたいと思います。
レミケードって何?
私よりも詳しい方、初めて聞く方と様々かと思います。レミケード(Infliximab)は元々、関節リウマチに使用されていた薬であります。成分は免疫活動を司るサイトカインの一つであるTNF-αに対する抗体です。レミケードはTNF-αに結合することで働きを抑制し、免疫力を抑制させることで炎症を抑え症状を改善させます。
レミケードの投与方法
点滴を投与する前に体重、血圧、体温を計測します。また、血液検査を行い異常がないか確認してから行われます。投与期間は2週間、4週間、8週間と徐々に遅くしていきます。その間に、重篤な副作用などがみられなければ、8週間で固定して投与していく形になります。
*最初の頃は投与中に血圧計測や点滴速度が遅いため時間がかかります。目安として2時間弱は見た方がよいです。
レミケードの副作用
・頭痛、発熱、発疹、関節痛、筋肉痛
・脱髄疾患(手足が動かしにくい、しびれが伴う時は確認しよう)
・間質性肺炎(呼吸困難感があればすぐ確認しよう)
・遅発性過敏症(少し遅れて発症する)
・肝機能障害、血液障害(検査値がでるため主治医と確認しよう)
レミケードが処方できない方、控えた方が良い方
・重症な感染症にかかっている人
・結核にかかっている人
・妊婦、高齢者、小児
・血液疾患がある人
・脱髄疾患にかかったことがある人
・間質性肺炎にかかったことがある人
私的な感想&現実
<メリット>
・元々、関節リウマチの薬であるだけに関節痛や強直性脊椎炎が劇的に改善されました。
・長期的なステロイドから脱出できました。
・8週間と通院期間が長く仕事に影響が少ないです。
・服薬量が減るため精神的にも楽になります。
<デメリット>
・副作用としては投与後に虚脱感やめまいがありました。
・肝心の潰瘍性大腸炎への効果は疑問が残ります。以前、医学書を立ち読みした際に、レミケードの効果があるのは5人に1人くらい(もっと少なかった?)であり適応する人が少ないと記載されていました。
・徐々に効果が薄れている自覚があり、それが血液検査値にも反映されつつあります。他の治療に変更した方が良いのではないかと自身も医者も考えています。しかし、現実的には仕事があり、新薬を使用するには入院が必要と言われ時間がありません。
・最初の頃は脱ステロイドでしたが、今は調子が悪いと使用することもあります。
<オススメする人>
・寛解期である人で通院が可能な人。
・仕事があり、なかなか通院ができない人。
*できれば、薬の知識を身につけて症状に合わせて飲めるようにしておく。
・現在の内科的治療に効果がない人。脱ステロイドしたい人。
・外科的治療に対して躊躇している人。
・関節痛や強直性脊椎炎の腸管外合併症のある人。
結論
炎症が抑えられるのは初期だけであり、レミケードでは潰瘍性大腸炎・クローン病の根本的な解決にはなりません。しかし、通院期間が長いことや脱ステロイドできたことは日常生活を送る上で凄く有益でありました。また、最近は炎症を抑えることから内部組織を良くする方向へ消化器疾患の治療方法が移行しています。そういった面からみると、長期的に炎症を沈静化することで内部組織を正常化させることに成功したと思います。とは言え、時間とともに悪くなるのが宿命。この状態を維持できるように体調管理を気をつけていきたい思います。
追記
▶︎3年ほどレミケードを使用し、免疫が破綻し入院しました。そのため、以前にも増して難治化しました。また、レミケードによりTNF-αを抑えればガン化しやすくなるそうです。非常に危険な薬だと知りました。何故、ドクターは何の説明もせずに投与したのでしょうか?
▶︎その後、生物学的製剤のヒュミラに変更になりました。治療を変えて欲しい旨を伝えたのですが、入院している状態で結果的に治療を拒否できる権限は私にはありませんでした。
▶︎ヒュミラとステロイドを使用し、一旦、退院しました。しかし、今度はガンの疑いで入院することになりました。そして、やっと生物学的製剤の危険を担当医が理解してくれ、辞めることが出来ました。結果的にガンではなく一過性の免疫不全でした。
▶︎その後、免疫能力が回復し、状態は安定しています。もっと、早くに生物学的製剤を辞めていれば仕事も失わず、お金も失わず、貴重な時間を失わずに済んだのだと思います。
▶︎しかし、私の無知が原因で招いたこと。ドクターを完全に信用してしまった自分の責任でもあります。もっと、自分の体のことや病気のことを勉強しようと思います。そして、私の経験を活かすためにも、より多くの人に生物学的製剤の危険性を伝えたいと思います。